2025年11月28日〜29日、宮城県仙台市にお招きいただき、講演と現地のまちづくりミーティングに参加してきました。 仙台では現在、広瀬川や青葉山公園周辺で、市民が主体となった新しいプロジェクトが次々と動き出しています。今回はその熱気あふれる2日間の様子をレポートします。
■Day 1:講演「水辺があるまちづくり ~魅力への気づき~」
初日は、ゴミ拾い団体「1万人プロジェクト」などが主体となって開催されたセミナーでの講演です。 テーマは「水辺があるまちづくり ~魅力への気づき~」。
会場には、市民団体、NPO、行政関係者など、仙台の水辺と公園の未来を真剣に考える方々が集まりました。私からは、福井県で実践している4つの事例(PADDLING VILLAGE、九頭竜川パドリングセンター、越前パークス、YORIVER)をご紹介しました。
(写真:講演中の様子)
お伝えしたかった一番のポイントは、成功の要諦は「ハコモノ」ではなく「人」にあるということ。そして、行政任せにするのではなく、多様な資金調達や役割分担(公民連携)をデザインする「互助力」が不可欠だというお話をさせていただきました。 仙台の皆さんの「自分たちのまちを良くしたい」という眼差しが非常に熱く、私自身も刺激を受けました。
■Day 2 Morning:リバーサイド・パークハウス コモンズ(第2回ミーティング)
2日目の午前中は、青葉山公園・仙臺緑彩館で行われた「青葉山公園マネジメント会議 市民参画推進部会」に参加しました。 議題は、このエリアにある「リバーサイド・パークハウス」を、いかに市民協働で利活用・維持管理していくかという実践的な内容です。


(素敵な建築と一体になる青葉山公園)
この会議が素晴らしかったのは、単なる議論に留まらず、各団体から非常に具体的な提案が出ていたことです。 例えば、「みちのくノルディックウォーキングネットワーク」さんからは、「歩く×水辺×交流」を軸にした健康交流拠点としての活用や、具体的なウォーキングコースの表示案などが提示されました。他にも、カヌー協会やプレーパークの団体など、多様なプレイヤーが「自分たちならこう使う」「こう貢献できる」という意志を持ち寄っていました。
私はゲストアドバイザーとして、静岡市役所の八木さんと共に参加し、福井での経験を踏まえたフィードバックや、持続可能な運営ルールのヒントをお話しさせていただきました。
■Day 2 Afternoon:西公園屋内遊び場基本計画シンポジウム
午後は立場を変えて、聴衆としてシンポジウムに参加しました。 テーマは(仮称)西公園屋内遊び場基本計画「みんなで創るあそびのナカミ」です。
(シンポジウムの様子)
今年で開園150周年を迎える歴史ある西公園に、天候に関わらず子どもたちが遊べる屋内施設を作るという計画です。 山形大学の佐藤教授や(株)ボーネルンドの方などのトークセッションを拝聴しました。「遊び」は子どもの成長の原点であり、それを支える環境をどうデザインするか。単なる施設整備ではなく、ソフト(プログラムや人)の重要性を再認識する機会となりました。
■Day 2 Night:有志による「カフェトーク」
講演の興奮も冷めやらぬまま、夜は有志の皆さんとカフェに集まり、よりフラットな場での意見交換会(カフェトーク)を行いました。

(青葉山公園には素敵な建物がたくさん。そこをお借りして皆さんでお話ししました)

(お昼のハンバーガーはめちゃうまでした!)
ここでは、翌日のシンポジウムや今後の連携について、より突っ込んだ本音の議論が交わされました。こういった公式の場の外にある「オフサイト」な会話からこそ、本当の仲間づくりや新しいアイデアが生まれるものです。仙台の夜は熱く、深い時間となりました。
■2日間を振り返って
講演する側、議論に参加する側、そして話を聞く側。 異なる3つの視点から仙台の水辺・公園づくりに触れた濃厚な2日間でした。
仙台には、広瀬川という素晴らしい自然資源と、青葉山・仙台城という歴史資源があります。しかし、何よりの資産は、今回お会いしたような「熱意ある市民(プレイヤー)」の存在だと確信しました。
福井と仙台、場所は違いますが「水辺」と「人」がつながることでまちはもっと面白くなる。その思いを新たにした出張でした。 お招きいただいた皆様、ありがとうございました!

(仙台の夜は寒いけど熱い🔥)