夏の終わりに、北海道へ出張してまいりました。 今回のミッションは、国土交通省道路局が進める「道路のネイチャーポジティブ」に関するプロジェクトです。
私はこのプロジェクトの広報戦略チームの一員として、北海道でのキックオフミーティングに参加しました。
■ 「ネイチャーポジティブ」とは?
最近よく耳にするようになった「ネイチャーポジティブ(自然再興)」という言葉。簡単に言えば、「生物多様性の減少を食い止め、回復軌道に乗せること」を指します。
これを「道路」というインフラに当てはめたとき、何ができるでしょうか?
道路は私たちの生活に欠かせないものですが、時に自然環境と衝突してしまうこともあります。その代表的な課題の一つが「ロードキル(野生動物との衝突事故)」です。
今回のプロジェクトでは、単に事故を防ぐだけでなく、「道路が存在しても地域の自然が豊かになるような未来」を描けないか、という大きなテーマに向き合っています。

(ミーティングの様子)
■ 北海道だからこそ見える景色
雄大な自然が広がる北海道は、このテーマを考える上で最も重要なフィールドの一つです。 ミーティングでは、道路の専門家、自然環境の専門家、そして広報のプロフェッショナルが集まり、それぞれの視点から活発な議論が交わされました。
「人と動物、双方が安全であるためには?」 「道路空間を、生き物たちの生息環境としてどう活用できるか?」
専門的なデータに基づきつつも、目指しているのは「人と自然が共生する持続可能な社会」という温かいビジョンです。
詳しい内容はまだ検討段階のためお伝えできませんが、従来の「道路管理」の枠を超えた、非常にワクワクするような取り組みが始まろうとしています。
研究所としても、この重要な社会課題に対し、知見を活かして貢献していきたいと考えています。今後の展開にぜひご注目ください。

(エゾシカの横断歩道。着色とライトでドライバーに注意喚起を行う)

(道路下のエゾシカ横断用のアンダーパス)