発見!ふくいのジオ 海編を10月7日(土)に開催しました。
天候も晴れ!
満潮が5時ごろ、少し波の高いコンディションでしたが、普段は観察できない波が岩を削っているであろう様子もよく観察できました。
1700~1600万年前のまだ日本列島がしっかりと形成されていない時代、気候は温暖で弁慶の洗濯岩のあたりは干潟が形成されていたとのこと。そこにはマングローブの森が広がっていました。その名残として木の化石がよく見られます。(すぐ見つかりますよ!)
参加者は地学に興味のある女性。
一昨年前に続いて2回目の参加です。
今回のテーマは『なぜ人は越前海岸に住むようになったのか?』
生きるために必要なものは何といっても食べ物。
福井県の地形は嶺北、嶺南を境に嶺北は隆起、嶺南は沈降という特徴があります。
1000年に1メートル(最大)という隆起スピードは大きな時間軸で考えるとかなり速いペースです。
これにより海成段丘が形成され、切り立った船をつけやすい地形になっています。
つまり漁業には良いということ。
また、蟹が好む200~300mの平らな場所が近くにあるので蟹漁も盛んです。
一説によると安土桃山時代ぐらいから食されていたらしい。『どうする家康』でも出てきましたね。
『弁慶の洗濯岩』の特徴は砂岩と泥岩の差別浸食。
比較的硬い砂岩が残って、割れやすい泥岩が侵食し、崩れて「洗濯板」状の凸凹な形になっていく。
よく見ると泥岩の割れている様子が観察できます。
「岩に親しもう!」ということで2つほどゲームをしてみました。
①岩当てゲーム
黒い布に石をいくつか並べてしばらく観察してもらいます。
その後、布をかぶせて「同じ石を探してきてください!」
弁慶の洗濯岩にあった泥岩や砂岩などの堆積岩、火山性の凝灰岩などが特徴的ですが、チャートっぽいモノもありました。
あらためて観察してみるといろんな形や色、手触りがあって面白いです。
泥岩は割れやすく化石が入っていることが多いです。
割ってみて葉っぱなどの植物は結構見つかりました。
②石じゃんけん
どれでもいいので一人石を5つ選んで隠し持ってもらいます。
私が一番大きい石は?
一番鋭い石は?
などのお題を出すのでそれに合った石を出してジャンケンをして勝ち負けを決めます。
写真は「一番かわいい石」というお題。
どちらが勝ったと思いますか??
少し北に行くと凝灰岩の白っぽい岩があります。
石のゲームをした時にもよく見かけたのでここから流れてきたのでしょう。
神の足跡。
言い伝えによると日照りが続き、水が無くて困っていた時に、村人総出で春日神社(ここの上あたりに位置する)でお祈りしたところ川に水が戻り、田畑に水があふれていたとのこと。その時に大きな足跡を発見したので神様が海の水を汲んできて来れたに違いない…というのがストーリーです。(塩害は大丈夫か?)
このお話と地形を重ねるならば…想像の範囲ではありますが、岩が剥がれて足跡ができたときに水道ができたのでは?と考えます。
足跡の下の方は水が流れて跡のように見えなくもないような…
いずれにしても何らかの作用で新たに水が流れたことが言い伝えとなったような気がします。
おそらく水が枯れてしまうリスクはあったもののこのあたりは水へのアクセスができていたのでは想像します。
生きるためには水が必須ですから。春日神社で現地の人に話を聞くと昔、井戸はいくつかあったとのことでした。
春日神社へ行く道は露頭が見れます。
観察すると地層の境目がよくわかる場所がありました。
春日神社から少し下ってきたあたりの風景。
平らな土地と窪んだ地形。
リスクはあるものの直接波を受けるようなこともなく住みやす場所に集落が広がっていることがよくわかります。
住みやすく、食べ物や水にもアクセスできる場所として人々はここで暮らすことを選んだのではないでしょうか?
発見!ふくいのジオ 山編は10月28日(土)開催します。
ご興味持たれた方はぜひ一緒に「福井の身近な自然の魅力を掘り起こす」を体感してみませんか?
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